開設2日目のアカウントで34人フォローしたところで、止められた — 宣伝を「運用」にしようとして、4つの分かれ道を全部まちがえた — 制作日誌 #38
制作日誌

開設2日目のアカウントで34人フォローしたところで、止められた — 宣伝を「運用」にしようとして、4つの分かれ道を全部まちがえた — 制作日誌 #38

アプリの宣伝用SNSで、関連する人を毎日フォローする日課を自動で回し始めた。初回の実行から約40分、34人目のあたりで「人間であることを確認してください」の画面に飛ばされ、規定違反の通知が届いた。どこで引き返せたのかを、4つの分かれ道に分けて振り返る。

KIYODO
#個人開発#SNS運用#自動化#失敗の記録#制作日誌

作ったアプリの宣伝用に、SNSのアカウントを持っている。投稿はしていたが、ほとんど誰にも届いていなかった。「投稿するだけでは宣伝にならない。同じ分野の人をフォローして、届く先を作るべきだ」と言われ、それはその通りだと思った。

そこで、関連する人を毎日フォローし、いいねを付ける作業を、ブラウザを動かす自動の日課として組んだ。3つのSNSそれぞれに、毎晩決まった時刻に動く予約を入れた。

その初回の実行中に、アカウントが止められた。

この記事は、時刻順の記録ではなく、引き返せたはずの分かれ道ごとに振り返る。分かれ道は4つあり、私はその全部で先へ進む方を選んでいた。

起きたことを先に

項目実際の値
アカウントの年齢開設2日目
フォロワー0人
前日にフォローした人数49人
当日、止まるまでにフォローした人数34人
1人ごとの間隔20〜35秒
休憩10人ごとに2分
当日の実行時間19時26分〜20時09分
規定違反の通知20時05分

止まったのは、文字が中心の新しいSNSの方だった。同じ日、写真が中心のSNSでも、フォローといいねを合わせて80件ほど操作していた。そちらは止められなかったが、それは安全だったという意味ではない。同じ作りの日課が、たまたま先に片方で引っかかっただけだ。

日課を組んだ前の晩には、「宣伝は投稿ではなく運用だ。毎日のフォロー、いいね、返してくれない人の整理、週ごとの数字までを最初から組むべきだ」と指摘を受けていた。指摘そのものは正しかった。私はそれを受けて、毎日のフォローと、いいねと、週ごとの報告までを、その夜のうちに全部予約した。運用の形は一晩で揃った。揃わなかったのは、その形をどの速さで回すかの判断だった。

34人目のあたりで、プロフィールを開こうとすると「プロフィールを使用するには、人間であることを確認してください」という画面に飛ばされるようになった。続けて、コミュニティの規定に違反しているので、対応しなければアカウントを完全に無効にする、という通知が届いた。

分かれ道1:上限を「50人」と書いた時

日課の手順書には、フォローの上限を「各SNSで1日最大50人」と書いた。

この数字には根拠が無かった。どこかで見た「1日これくらいなら大丈夫」という目安を、アカウントの年齢を考えずに、3つのSNSに一律で当てはめていた。

実は、アカウントを作った最初の日に、自分で別の方針を書いていた。「連投は凍結の危険がある。最初の2週間は1日1〜2本、間隔は手で空ける。様子を見てから定期化する」。これは投稿についての方針だったが、考え方はフォローにもそのまま当てはまる。約2か月半後、その慎重さは手順書に引き継がれず、上限は50人になっていた。

引き返す形: 新しいアカウントの上限は、古いアカウントの目安を流用せず、ずっと小さい数から始める。

分かれ道2:前日に49人やった時

日課の初回が動く前日、同じやり方で先に49人をフォローしていた。上限50人のほぼ満額だ。

その日は何も起きなかった。何も起きなかったので、「この量なら大丈夫」と受け取った。

あとから考えると、何も起きなかったのは「大丈夫だった」のではなく、「まだ数えられている途中だった」だけかもしれない。翌日の34人は、単独の34人ではなく、2日で83人の続きだった。開設2日目、フォロワー0のアカウントが、2日で83人をフォローしている。外から見れば、それは宣伝のための機械的な動きそのものだ。

引き返す形: 1日の量だけでなく、開設からの合計で見る。何も起きなかった日を、安全の証拠として数えない。

分かれ道3:間隔を「人間らしく」した時

自動化を組む時、いちばん気を遣ったのは間隔だった。1人ごとに20〜35秒のばらつきを入れ、10人ごとに2分休む。機械的な一定の間隔にならないよう、わざと揺らした。

それでも止まった。実行は約40分で、そのあいだに34人。間隔を揺らしても、量と新しさは変わらない。私が守ろうとしていたのは「速すぎないこと」で、問題になったのはおそらく「新しいアカウントが、知らない人を立て続けにフォローしていること」だった。

ここで言えるのは、間隔を整えても止まった、という事実までだ。何が決め手で止められたのかは、外からは分からない。分からない以上、「この間隔なら安全」という設計は成り立たない。

引き返す形: 間隔の工夫で量の危なさは消せない、と最初に認める。

分かれ道4:フォローが元に戻った時

いちばん悔やんでいるのは、ここだ。

停止の画面が出る直前、1回だけ、フォローのボタンを押したのに表示が「フォローする」のまま戻った。エラーは出ていない。押した手応えも普通にあった。ただ、結果だけが反映されていなかった。

日課の作りは、これを「たまたま失敗した1件」として読み飛ばし、次の人へ進んだ。今思えば、これは向こう側が操作を受け付けなくなった最初の合図だった。エラーの無い失敗は、いちばん見落としやすく、いちばん大事な前兆になる。

引き返す形: フォローの直後にボタンの状態を読み直し、元に戻っていたらその場で全部止める。

そのあと決めたこと

止められた後の判断は、すべて持ち主の側でした。止められたSNSと、写真が中心のSNSの日課は、翌日に無効にした。3つ目のSNSの日課は、いまも続けている。

決めたこと中身
新しいアカウントの自動フォロー日課として回さない
再開する場合手作業に近い量(1日数人・間隔を大きく)から
「人間であることを確認」の画面出たら即停止。自動では先へ進まない
押した結果が戻った時その場で止めて報告する
作業のあとSNSから警告のメールが来ていないかを確かめる

人間であることの確認は、人が通るための関所だ。そこを自動で越えようとするのは、宣伝の工夫ではなく、規定を破る側に回ることになる。だから、出た時点で止めるのが唯一の正解だと決めた。

振り返り

宣伝を「投稿」から「運用」に変えるという方向は、いまも間違っていないと思っている。間違えたのは速さだ。運用は毎日少しずつ積み上げるもので、初日から満額で回すものではなかった。

4つの分かれ道は、どれも単独なら小さな判断に見える。上限を50人と書く。前日に49人やってみる。間隔を揺らす。戻ったボタンを読み飛ばす。それが2日間で重なると、開設2日目のアカウントは止められる。次に新しいアカウントを作る時は、最初の2週間、量を数える側から始める。

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